音階の話(その1)
音の周波数は大きくなると高いと感じ、逆に周波数が小さくなると低いと感じます。これはとても不思議な現象で、私たちのこの高い低いという意識についても改めて考えたいと思いますが、この周波数にはオクターブという節目があります。
ある音、例えばそれが440Hz/secのAの音だとします。そしてこの周波数を上げていって2倍の880Hzになるとまた同じAの音になるのです。この二つの音の関係をオクターブと呼びます。元の音から周波数が2倍になれば、1オクターブ。2倍の2倍で4倍になれば2オクターブという言い方をします。
そして、このオクターブを12等分して12の音階を定めたものを平均律と言います。今、使われているほとんどの西洋楽器はこの平均律に調律されています。この平均律の12の音から7つの音を選んでドレミの音階としているわけです。どのように並んでいるかというと、ド ・ レ ・ ミ ファ ・ ソ ・ ラ ・ シ そして1オクターブ上のドになるわけですが・も含めて隣の音との間隔を半音と呼び、隣の隣の音との間隔を1音という風に言います。ピアノの鍵盤ではドレミファソラシドの音は白鍵、・・・・・の音は黒鍵の音になります。
また、度数で表す言い方もあります。度数で表す時は音階のドとレの関係を2度、レとミの関係も2度、それからミとファの間隔は半音ですが同じように2度の関係と言います。
そしてドとミの関係は3度、レとファの関係も3度ですが、ドとミの間とレとファの間は間隔が同じではないことに気づきます。ドとミの間は半音が4つ(または2音)、レとファの間は半音が3つ(または1音半)です。このような時にはドとミの間は長3度、レとファの間は短3度という言い方をします。ドとファ、レとソ、ミとラ、は4度。ドとソ、レとラ、ミとシ、ファとドは5度。しかし、シとファは5度ですが他の5度と違い間隔が半音少ないことに気がつくと思いますが、この特殊な5度の関係を不完全5度といいます。
なぜ不完全なのかといいますと、ここで倍音というものの説明をしなければなりません。
倍音とは周波数のX倍の音をいうのですが、ドの音の周波数を仮に200Hzとするとその2倍音400Hzは1オクターブ上のドです。では、3倍音、つまり600Hzはといいますとさらにその上のソの音になります。同じように4倍音、つまり800Hzは、逆にさらにその上のドの音になります。では5倍音、つまり1000Hz=1kHzはといいますと、これがミの音になるのです。このように倍音を並べていくとドドソドミと並びます。このドとソとミは周波数の比が単純なので共鳴しやすいのです。このドミソは倍にたどった音ですが逆に1/2、1/3、1/4、1/5とたどっていくと初めの音をミとするとミミラミドと並びます。ドミソは長3和音、ラドミは短3和音となり、基本的な3和音となります。
5度の音というのはこの単純な整数比を持っていますが、不完全5度というのはこの整数比を持ちません。ゆえに不協和音であるから不完全5度といいます。
だいぶ長くなってしまいました。次はもっと脱線したいと思います。